2019年3月28日木曜日

幸せのバターサンド

私がダイエット中だということを知っているはずなのに、夫がバターサンドを買ってきた。五個入りのやつ。乳製品殆どがダメな私でも、なぜかこのバターサンドだけは美味しく食べられる。昔、友達が五個入りのやつをお土産に買ってきてくれて、「一つ食べてみて気持ち悪くなったら、こっそり誰かにあげてしまおう」と恐る恐る口にしたら、全く平気だった。(後日、意外と他の乳製品も食べてみたらイケるんじゃないだろうかと試してみたが、やっぱりダメだった)
 
「北海道物産展がやってたんだ。急に君の喜ぶ顔が見たくなっちゃって」
 
「よく言うよ。いつも、ふらっと一人でどこかにでかけてもお土産なんて買ってこない癖に」
 
「ダイエット中でも1個くらいなら大丈夫だよ」
 
「この1個を食べちゃうと、たくさん食べたくなっちゃうんだよ」
 
「じゃあ冷蔵庫に入れておくから賞味期限までに食べてよ」
 
こうして五個入りのバターサンドは1週間、誰にも食べられないまま冷蔵庫の中で放置されることになった。
 
今日、1ヶ月に1度訪れる貧血の日。甘いものが無性に食べたい。ダイエットとか言っている場合かよ、今、甘いものを食べなきゃ倒れてしまう。それくらい私の体は甘いものを欲していた。冷蔵庫を開けると、夫が買ってきたバターサンドが目に飛び込んできた。ああ、もう我慢できない。包みを雑に破いて、バターサンドをかじる。しっとりしたクッキー、レーズンの甘みと酸味がじゅわっと。口の中が幸福で満たされる。
 
そういえば、夫がせっかくバターサンドを買ってきてくれたのに「ありがとう」を言うのを忘れていたな。1週間経った今、急に「バターサンドを買ってきてくれてありがとう」なんて言ったら笑われてしまいそう。

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